フィールドワークによる地域資源を把握する活動をします。

トップフィールドワークトップ糸島の巨大な古代山城を訪ねて(雷山神籠石)
国指定 雷山神籠石
神籠石とは?
~不思議な構造物~
神籠石と言われる不思議な構築物が、西日本一帯に十数ヶ所あります。九州では、久留米の高良大社の神籠石が有名で、あたかも宗教上の神域と思われ、神籠石と名付けられました。
しかし、考古学的に古代山城の遺構として解明されてから半世紀近く経ちましたが、とても不可思議な石造物です。ここ糸島にも雷山の奥深い山中に神籠石がひっそりとたたずんでいます。
~雷山神籠石の歴史的背景~
7世紀頃、日本は唐・新羅と緊迫した関係にあり、雷山にも神籠石系山城が築かれました。糸島は朝鮮半島に近く玄海灘に直面し、海外からの外圧に強い危機を感じたのか、神籠石の中では最も標高が高い480mの山中に築いたと想像されます。
今は、前原市にある5つの国史跡の一つであり、貴重な歴史遺産となっています。
神籠石系山城
~山中の斜面に上る列石群~
今回のフィールドワークでは、前原市役所を出発し、山腹の雷山千如寺大悲王院を経由して標高約5百mの雷神社まで凡そ30分間で、一気に上りました。ここは昔、雷山三百坊と言われた怡土七ヶ寺の本山があった所で、今はひっそりした境内に天然記念物の大銀杏や2本の巨大な観音杉が歴史の生き証人のようにそびえ立っています。どれも樹齢はおよそ900~1000年の巨木で樹高は40m近くあります。
そこを右折し、林道を凡そ2km走ると雷山神籠石の標識が左手に見えてきます。しかし、うっかりすると通過してしまいそうなので要注意です。ここを右折し、デコボコ道を2~3分走ると神籠石の案内版があり、その左手山中には列石群が半ば腐葉土に埋まりながら上っているのが見えます。この列石群が雷山神籠石の外周の一部です。これら列石と急峻な丘陵で繋いだ城域は凡そ2kmとなっています。列石は土塁の基礎部分になりますが、土塁そのものは消滅しています。
山中の列石を間近じかに観察するには、軽登山のそれなりの装備が必要なので眺めるに留めました。
~今も渓流が流れ込む南水門部の遺構~
案内板がある林道から、山林の細道に入ります、凡そ50m歩くと小さな二つの渓流と崩壊した石材が散逸する遺構が見えてきます。これらが南水門部跡と言われ、山中から流入する水を城内に通す水門となっていました。手前の水門跡は、渓流に残骸らしき石片が僅かに残る程度です。その先の水門跡は地上に石塁を構築した水門と言われていますが、今は構築物の面影はなく、花崗岩の石材が転がっているのみです。散在する石材を観察すると、平面状に切断した石材や、L字形に加工した石材もあります。また、石を切り出した時に付く楔状ののみ跡も全く見られず、加工技術の高さを感じます。この地点からも列石群が急勾配の斜面に向けて上っている状況がはっきり見ることができます。
神籠石系山城
~今も城内の水を排出している水路孔~
林道まで戻り、デコボコ道を車で走ると直ぐ不動池という大きな池が右手に見えてきます。池面には5月の新緑が映り清々しく感じられます。凡そ5百m走ると北水門部の標識があり、そこで下車して杉林の中を5分ほど歩くと北水門部の遺構に着きます。切石を布目状に積み上げた石垣は強固に残り、高さは凡そ4~5m、その石垣の中には水路孔が下部に2ヶ所、上部に1ヶ所を確認できます。訪れた日は水の流れは少なく、下部の水路孔から僅かに流れている程度でしたが、水門部の機能は十分残っていると推察されます。ここからは、新緑の樹林を通してのどかな志摩半島や加布里湾、今津湾そして遥かに玄界灘を望むことができました。
~北水門部両端から急斜面に上る列石群~
水門部から左右両側の尾根に向けて列石が上っています。ここの列石群は間近じかに観察することが可能です。よくぞこんな急峻な斜面に築いたものだと感心させられると共に、きちんと残っていることに驚嘆します。
列石は一見すると、ほぼ同じサイズの大きさに見えますが、その大きさはまちまちです。以前、その一部を実測したことがありますので、そのデータを紹介します。また、列石群は直線状に並べられているのではなく、十数個単位で折れ曲がりながら山の形状に合わせて築かれているのが観察できます。その列石の並べ方は折れ構造と言われ、その形式がズレや崩落を抑制していると思うと、古代人の知恵に感心させられます。
~列石の大きさ(参考までに)~
東列石群の列石サイズの実測データ
 (平成17年、実測したもの)
東側の第1折構造部分(単位cm):
長さ86(奥行66、高さ76)cm、118(奥行57)、125(奥行80)、87(奥行72)、85(奥行97)、103、54(奥行52)、92、113(奥行113)、115、93、63、62。以上13石、計11.96m。奥行、高さが空白となっている列石は土砂で覆われて測定不可。
東側の第2折構造部分:
87、87、85、89、104、、、(土砂に覆われ測定不能)。

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